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酒向芳さんは下積み時代が長かった、今では人気俳優
酒向芳(さこうよし)さんの学歴と出身校についてご案内します。
酒向芳さんは岐阜県出身のベテラン俳優。
まずお名前は、確認するまで頭の中で「さかむかいさん?」と迷っていたのですが(@個人)、「さこう」さんでした。
珍しい苗字ですが、岐阜県・愛知県の一定の場所では、ほどほどある苗字のようです。
地元の工業高校から上京し、多摩美術学園の演劇科で学びました。
岐阜県立多治見工業高等学校 ⇒ 多摩美術学園
多摩美術学園は現在の多摩美術大学にあたります。
卒業後、複数の劇団で不合格になりながら、また、入団しても役がもらえないなど苦労の下積み時代が長く続きました。
しかし『検察側の罪人』(2018年)での怪演で、「あの役者さんは誰だ?」と反響を呼び、その後の出演は絶え間なく続いています。昨今では、各種のドラマで味わいを出す貴重な存在です。
酒向芳(さこう よし)
生まれ:1958年11月15日
出身:岐阜県
1965年:(推定)小学校入学、7歳
1971年:(推定)中学校入学、13歳
1974年:(推定)多治見工業高校入学、16歳
1977年:(推定)多摩芸術学園入学、19歳
1988年:『上海バンスキング』、30歳
2004年:『慶次郎縁側日記』
2005年:『埋もれ木』
2007年:『ヘレンケラーを知っていますか』山口孝夫
2008年:『監査法人』 向島秀則 、50歳
2010年:『龍馬伝』枡屋虎吉
2014年:『軍師官兵衛』生駒親正、『花子とアン』三郎
2015年:『まれ』輪島市長
2017年:『22年目の告白 -私が殺人犯です』杉本慶治
2018年:『検察側の罪人』松倉重生、『半分、青い。』西村弘道 、60歳
2020年:『美食探偵 明智五郎』神無月政伸、62歳
2021年:『青天を衝け』利根吉春、『リコカツ』緒原正 、『最愛』渡辺昭
2022年:『沈黙のパレード』増村栄治、
2023年:『どうする家康』明智光秀、『unknown』庭月源治
2024年:『ラストマイル』刈谷貴教 、『燕は戻ってこない』平岡、『アンメット ある脳外科医の日記』西島秀雄、『海に眠るダイヤモンド』澤田 、66歳
2025年:『花まんま』繁田仁
その他、出演など多数
*略歴は当サイト独自のまとめであり、公式発表ではありません。略歴中の年齢は、およそ誕生日を迎えた時点での「◯歳」を示しています。
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(2024年の誕生日に)
酒向芳さんの出身高校は多治見工業高校、窯業科を卒業
酒向芳さんは岐阜県立の多治見工業高校を卒業したことが知られています。
そもそも多治見市はどこかというと・・・
県境で隣の愛知県瀬戸市と接しており、瀬戸市、多治見市がともに焼き物の街として知られてきました。
つまり、名古屋市とも割と近い関係にあります。
岐阜県立多治見工業高等学校
所在地:岐阜県多治見市陶元町207
創立:1898年
工業高校につき、現在の学科は以下となります。
セラミック工学科
産業デザイン工学科
電子機械工学科
電気工学科
酒向芳さんは、窯業科を卒業したことが分かっています。
現在のセラミック工学科と考えられますが、同校は設立時は「岐阜県陶磁器講習所」だったように、「陶磁器」「窯業」が前面に出る伝統校です。
窯業科の募集が停止され、セラミック科が設置されたのは1988年のため、1974年に入学した酒向さんの時代はなるほど窯業科でした。
高校は地元の岐阜県立多治見工業高校の窯業科に進みました。多治見は窯業が盛んですが、高3で進路を決める必要がある。そして進路相談の前あたりに決断したんだと思います。担任に『どうする?』と聞かれた時は『演劇の道に進みます』と答えました。不思議に両親は反対しなかったですね。
(https://www.dailyshincho.jp/article/2018/09030559/ より)
その後、酒向さんは文化祭の舞台で1人で東海林太郎のモノマネなど、したそうです。
ご両親が反対しなかった理由には、5人兄弟の末っ子だった点もある様子。
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(2021年の「最愛」では息子を探す父親でした)
酒向芳さんの出身地岐阜県と出身小学校、出身中学校
酒向さんの出身小学校、中学校について詳細は分かっていません。
ただ、上記多治見市の高校に通学できるふつうの範囲に実家があったと考えられます。
小学校時代に、演劇への小さな出会いがあったようです。
演劇との出会いは小学校低学年の時。学校に劇団が訪れ、「にんじん」————だと酒向が記憶している作品————を上演した。それに強い感銘を受けたのだ。
(同上)
その後、「太陽にほえろ!」や「俺たちの勲章」「俺たちの旅」などを観て松田優作さんや中村雅俊さんの演技に強く惹かれた模様。
年代からして、中学生ころと思われます。
***
酒向芳さんは、後年、2023年の大河ドラマ『どうする家康』に明智光秀役で出演しました。その時の村橋監督のルーツも岐阜県に近く、2人が話し合う中でドラマ中の、地元の言葉が混じったセリフができあがったとのこと。
『あんのくそたわけの口に、腐った魚を詰めて殺(ころ)うちゃる』
\『どうする家康』明智光秀役/
【 #酒向芳 さんをピックアップ】多くの作品に出演する酒向さん。光秀役では強烈な個性を発揮。
▼酒向さんの素顔が見られる『あてなよる』「もやしで呑(の)む」https://t.co/5y3shV6NJ6
▼ドラマ出演作など詳細https://t.co/NrrZEW3aT2
#どうする家康 pic.twitter.com/tx1klG36dF— NHKアーカイブス (@nhk_archives) July 30, 2023
ところで『どうする家康』での明智光秀は『麒麟がくる』で長谷川博己さんが演じた光秀とは大きく異なります。
『麒麟がくる』では信長と光秀の一種の友情が描かれたとされますが、『どうする家康』では、そんなことはなく、信長は自分を討ちにきたのが家康じゃなかったことに失望したという設定。
村橋監督の言葉です。
今回の明智は、もちろん信長や家康への恨みはありますけど、言ってみれば、条件が揃ったので『今ならやれる』と計算高く実行しただけのようなもの。信長と家康のブロマンスな世界と、信長と明智のドライな関係との対比が、酒向さんのお芝居によって一層、際立ちました。
(「どうする家康」“異色の本能寺”際立つ明智・酒向芳の怪演 2023年7月23日 より」)
酒向さんのお芝居のことを村橋監督は、以下のように絶賛していました。
「分かりやすいヒール役、引き立て役でありながら、それでいて類型的にも嘘くさくもならない」
ちなみに酒向さんは『青天を衝け』で悪代官の利根吉春も演じています。
単なる悪役でなく、嘘くさくならないという言葉に、監督からの信頼感が伝わってきました。
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(夕暮れカメラ にて)
酒向芳さんの出身大学は多摩芸術学園(現・多摩美術大学)
さて、進路を決めた酒向芳さんは当時川崎にあった、多摩芸術学園に進みました。
多摩芸術学園は1992年に多摩美術大学に再編されており、そこで学んだのは佐藤浩市さんも同様です。
ちなみに酒向さんが1958年生まれ、佐藤浩市さんは1960年生まれ。割と世代が近いのですが、当時に面識があったかは分かりません。
多摩美術大学
所在地:東京都八王子市鑓水2丁目
通常の4年で卒業したとしたら、1981年でしょう。
現在の多摩美術大学には以下の学部があります。
絵画学科
彫刻学科
工芸学科
グラフィックデザイン学科
生産デザイン学科
建築・環境デザイン学科
情報デザイン学科
統合デザイン学科
演劇舞踊デザイン学科
芸術学科
酒向さんは演劇科卒業とされますので、現在でいうと「演劇舞踊デザイン学科」と考えられます。
多摩美では絵画学科のなかにさらに3分野がありますが、全体としてはこのように演劇や、情報デザインを学ぶ学生も増えています。
若手では水嶋凜さんや伊藤万理華さんなどが多摩美術大学の出身者となっています。
***
酒向芳さんは、大学卒業後に「文学座」や「青年座」、「無名塾」などを受けて不合格でしたが、その後、「オンシアター自由劇場」に入ります。
しかし、そこでの生活も大変だった模様ーー。
家に帰れない、食事をする時間もない、カネがない、そしてキャスティングされない(笑)。でも不思議に辞めたいとは思いませんでしたね。・・・中略・・・
自由劇場を退団しましたが、辞めても食えない。自分たちで劇団を作っても食えない。20代の頃から常にバイトで生計を立てていました。飲食店の皿洗い、イベント出演、それと解体作業の仕事には助けられました。
(「検察側の罪人」怪演で注目 「酒向芳」が役者として一本立ちは50歳の時、『デイリー新潮』2018年)
その間には、トロンボーンを練習したり、劇団の方向性が変わったり諸々あったようですが、40代で永井愛さんの二兎社に参加して、ようやく演劇だけで暮らせるようになったとのこと。その時50歳でした。
この記事ではご家族は「妻と長男の三人暮らし」ということで、2018年当時、長男さんは3歳半。
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(2024年の「ラストマイル」にて)
なお、記事タイトルどおり、取材は「検察側の罪人」にて、重要参考人を演じ、その演技が怪演とも獣演とも言われるほど、反響を呼んだ時でした。
一方で、演じるにあたり小栗康平監督からかつて、肩に力が入りすぎないように、
「この現場にある、撮影用の花とか、机とか、そこにある茶碗と一緒だ。そんなに頑張らなくていいんだよ」
と言われたことが酒向さんにとって転機となったそうです。
この「検察側の罪人」では木村拓哉さんと二宮和也さんが共演し、その迫力も凄まじかった一方で酒向さん演じる松倉という男が、「コミュニケーション不全のモンスター」として描かれたとのこと。
正に観客にとっては予想もしない衝撃と、ある種の嫌悪感を抱かせる存在であるこの松倉。果たして誰が演じているのだろうか?
(https://cinema.ne.jp/article/detail/42232 実は、陰の主役はこの怪人物だった! より)
雫井脩介さん原作『検索側の罪人』の映画は未見ながら、これは観てみたいと思いました。
#助演で出てきたら嬉しくなる俳優
酒向芳。
「検察側の罪人」での快演が強烈に印象に残ってるが、他の作品では常識的な役も普通にこなしてて一筋縄ではいかない。でもやっぱり快演の印象が強烈すぎる笑 pic.twitter.com/NSnKxCPyPp— 追憶のライラック (@lilac908) November 9, 2023
もちろん、すべての出演にて「怪演」ではなく、役柄にふさわしい素晴らしい演技を見せてくれます。
映画もドラマも、2020年代の活躍がたいへん目立っています。
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「リコカツ」では宮崎美子さんと夫婦でした。
2024年の『アンメット ある脳外科医の日記』ではヘビだかなんだかを貪る怖い人で、また怪演を見せてくれたようです。グループの最高権力者「西島」が酒向芳さんでした。
この西島が食べていた肉は、持ち手部分に黒い足爪のようなものがしっかりとついており、普通の鶏肉ではない。ドラマ公式Xでも、酒向が謎の肉を手にしている写真がアップされている。
西島はこれまでも食事風景で「ヘビ」「カエル」を食べており、今回はなんの肉かは説明はなかったが・・後略・・
(https://www.daily.co.jp/gossip/2024/05/28/0017704540.shtml より)
『海に眠るダイヤモンド』でも現代バージョンの神木隆之介さんと、やはりちょっと謎の存在を演じて、存在感が確固たるものとなっています。
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演技が凄すぎて年齢が分からない感じもしますがまだ60代。まだまだ諸々を見せていただけそうです。
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以上、簡単ですが酒向芳さんの出身校についてでした。