天童荒太さんはもちろん?ペンネーム
天童荒太さんは人気の小説家ですが、詳しく知らない方からもこのお名前が本名とは思われないでしょう。そのとおり本名は、栗田教行(くりたのりゆき)さんです。
たまたまの事情で一度、天童荒太(てんどうあらた)名義を使ったことから、その後もこの名前で活躍しています。
愛媛県の出身で、地元の公立高校から明治大学に進学しています。明大では文学部演劇学科でした。
松山北高等学校 ⇒ 明治大学
天童さんといえば『永遠の仔』、そしてその表紙を飾った舟越桂さんのあの表情の彫刻を思い浮かべる方も多いことでしょう。
また『悼む人』も映画化されたり、舞台になったりと反響を呼びました。近頃では、エズラ・ミラーの主演でハリウッドで再映画化されることも話題になっています。
寡作で知られる天童さんなので、ことさら次の発表も待たれます。
天童荒太 (てんどうあらた 本名:栗田教行)
生まれ:1960年5月8日
出身:愛媛県松山市
1973年:(推定)中学入学、13歳
1976年:(推定)松山北高等学校入学、16歳
1979年:(推定)明治大学入学、19歳
1983年:(推定)明治大学卒業、23歳
1986年:『白の家族』(栗田教行名義)で第13回野性時代新人文学賞受賞
1994年 :『孤独の歌声』第6回日本推理サスペンス大賞優秀作。
1995年:『家族狩り』第9回山本周五郎賞受賞。
1999年:『永遠の仔』第121回直木三十五賞候補。
2000年:『永遠の仔』第53回日本推理作家協会賞受賞。テレビドラマ化。
2009年 :『悼む人』第140回直木賞受賞
2013年 :『歓喜の仔』で第67回毎日出版文化賞
2014年:『家族狩り』ドラマ化、主演:松雪泰子
2015年:『悼む人』映画化、主演:高良健吾
2018年:『ペインレス』
2019年:『巡礼の家』、59歳
その他、著作多数
*略歴は当サイト独自のまとめであり公式発表ではありません。略歴中の学校関係などに添えた年齢は、およそ誕生日を迎えた時点での「◯歳」を示しています。
直木賞作家でバラエティ番組初登場の天童荒太さんが、ゴロウ・デラックスのことを「バラエティというより、今一番しっかりした教養番組」と評価してるじゃないですか!#ゴロデラを全国放送に#ゴロウデラックス#TBS pic.twitter.com/kVc0TYGkgV
— きみ📎テンボール (@go2top2018) 2018年7月5日
天童荒太さんの出身高校は愛媛県の松山北高等学校
愛媛県立松山北高等学校は松山市にある公立高校。
旧制中学の時代もあり、北予中学時代には、あの『坂の上の雲』で描かれた秋山好古が校長だったそうです。開校は1900年となります。
2010年のNHKのドラマ『坂の上の雲』では、松山北高等学校がロケ地の一つともなりました。
松山北高校は愛媛大学とも近接しています。
松山北高校
所在地:愛媛県松山市文京町4番地1
(松山市にある名門校として松山東高校も著名。松山東は夏目漱石が一時は教師をしていた学校)
出身者には天童荒太さんの他に小説家の伴野朗さん、画家の古茂田守介さんらがいます。
うろ覚えで恐縮ながら、天童さんが中高生くらいだったとき、家の中には高齢の寝たきりの祖父の方がいた事など、エッセイで書かれていた場面があったはずです。祖父と自分が同じ部屋で暮らすことになったこと等々。
そんなことも小説の糧になっているかもと、後から思いました。
天童さんの出身地道後温泉と、出身中学校
天童荒太さんの出身中学は、松山市立道後中学校であることを、松山市長の野志克仁氏が、2019年10月のブログに書いていました。
ふるさとの松山・道後を舞台に天童さんが「巡礼の家」を著したことへの歓迎イベントの、市長としての記事です。(http://noshi-k.seesaa.net/article/470748327.html )
松山市立道後中学校
所在地:愛媛県松山市上市1丁目3−57
伊予鉄松山市駅線の終点「道後温泉」駅があり、道後公園があり、道後中学校のすぐ隣には道後小学校があり、おそらく天童荒太さんに関係しそうですが、ともかく「道後」の只中で育ったということでしょう。
道後公園の北にあの道後温泉本館もあります。
道後温泉の近くで育ち『坊っちゃん』の空気がそこかしこにあったであろうことと、天童さんの作家志向を結びつけるのは、あまりに短絡でしょう。しかしそんな地域に育ったことがないので、諸々空想してしまいます。
その後、『巡礼の家』を読みました。たいへん感銘深い作品で、道後温泉や、地元の歴史も地理も豊かに盛り込まれた面白さもありました。個人的にはこれも映画化されないかと期待しています。
巡礼の家はアマゾンのオーディブルで聴くことも可能です。
天童荒太さんの出身大学は明治大学(文学部)
高校時代の天童さんが何を目指していたか、作家を志すような気持ちが何時からあったか、そこは分からないのですが、大学は明治大学文学部の演劇学科に進んでいます。文学科でない所がちょっと意外・・・。
明治大学 和泉キャンパス
所在地:東京都杉並区永福1丁目9−1
明治大学はもちろん学生数の多いマンモス校の一つで、著名人も多いわけですが、首相経験者の二人が三木武夫さんと村山富市さん。
余談ながら、東大と早稲田以外には、首相を沢山は輩出しておらず、二人以下のみが大学別の現状です。安倍晋三首相はもちろんご存知の成蹊大学。
明治大学の出身者には、文藝春秋を創設した菊池寛さんもいます。唐十郎さんも文学部演劇学科の出身。
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俳優では高倉健さん、小林旭さんという重鎮がいます。 西田敏行さん、大杉漣さん、山下智久さん、田中裕子さん、山本美月さんも明大出身です。
2019年も家売るオンナで家を売っている(?)北川景子さんも。
センター試験も2020年で終わり、試験制度が変更されつつあります。私立大学では、定員よりあまり多くの合格者を出せない背景もあり、一部の私大がさらに難化する傾向も・・
明大は男性イメージも強かった一方で、近頃は女子に志願者が急増とか・・・
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本名の栗田教行さん名義では「おかしな星ふるらくえんじま」という童話がアンデルセンの受賞作品(第三回、1986年)として今も掲載されています。
『白の家族』の受賞も1986年で、4年で大学を卒業したとしたら1983年なので、卒業後は、地道に書き続けてきたということでしょう。
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『悼む人』はミステリーというより、人の生死に関わる壮大なストーリーと重層的な表現がなんとも深みにある、忘れがたい作品と思います(個人の感想)。
繰り返し読んだあとU-NEXTで映画を観ました。主演は高良健吾さん。
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そして『歓喜の仔』の表紙は、なんと松本竣介の作品ではありませんか。なんとも贅沢な取り合わせ・・ 故人、松本竣介は岩手県の旧制盛岡中学(現在盛岡一高)の出身です。
関係ないけれど松本竣介は、明大のある御茶ノ水のニコライ堂などの風景を繰り返し描いています。御茶ノ水界隈には松本竣介の足跡もあることでしょう。今ではお洒落なカフェが立ち並ぶ一角となりました。
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以上、簡単ですが天童荒太さんの出身校についてでした。